2008-08-21

『アインシュタインをトランクに乗せて』を読みました

『アインシュタインをトランクに乗せて』という本を読みました。

相対性理論で知られるアインシュタイン博士を
死後解剖した医師ハーヴェイは、脳を持ち去り
独自に研究していました。
そのことを聞きつけた著者が、ハーヴェイと会い、
アインシュタインの孫に脳を返すために
ハーヴェイとともに車でアメリカを旅する話。
驚きなのは、これがノンフィクション=事実だということ。

物語は著者の主観をもとに進みます。
著者の歩んできた人生、妻とのなれそめなどを交えながら
ハーヴェイとの道中を説明しています。
ノンフィクションでありながら、自分のことを
かなり詳細に描いていたのがよかった。
著者は、この旅に出ていたとき、自らの人生の今後に
かなり悩んでいたようで、
そのゆらゆらする心理描写がとてもいい。

著者の妻はライターとして活動し、
本の執筆に取り掛かっているときに
著者は旅に出ています。
かなり不安で、旅先から頻繁に妻に
連絡しようとする描写が、個人的にぐっと来ました。
旅路だけでなく、著者の心情もドキュメンタリータッチで
描かれ、読み応えがありました。

物語は淡々と進み、淡々と終わります。
ちょっとあっけないくらい。
軽い気分で読むのにぴったりの本でした。



アインシュタインをトランクに乗せて (ヴィレッジブックス)アインシュタインをトランクに乗せて (ヴィレッジブックス)
Michael Paterniti 藤井 留美


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↑絶版なんですね…古本屋さんで探してみてください。
 金沢市図書館にはありましたよ。

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