千々にくだけて リービ・英雄 講談社 2005-04-29 売り上げランキング : 171728 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
前からこの作者の本、読んでみたかったんです。
生まれがアメリカなのに
日本語で小説を書く方。
で、この本はジャケがきれいだったので
それに惹かれて読んでみました。
これ、911をテーマにした小説。
アメリカ人日本文学作家が、9・11体験の核心から現代世界の変容と危機を鮮烈に描きだす「ノンフィクションを超えたフィクション」。
「9・11」に対峙する、新しい文学の誕生!
作者自身、911の際にちょうど渡米していた
体験をもとにした小説。
英語を母国語としながらも、
すでに日本在住期間のほうが長く、なおかつ言語も完璧に使いこなせる。
そのバイリンガルが遭遇した、母国への攻撃。
そのときの感情すら、英語で思い浮かばず
無意識にいちいち日本語におきかえてしまう。
そういった「アイデンティティの喪失」を感じた本でした。
小説というより、正直なところ
作者自身に対して興味がわきました。
巻末のエッセイのほうが好き。
まーしかし、文章うまい。
母国語でないのこここまで上手だなんて。