2012-03-22

「千々にくだけて」リービ英雄

千々にくだけて千々にくだけて
リービ・英雄

講談社 2005-04-29
売り上げランキング : 171728

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


前からこの作者の本、読んでみたかったんです。

生まれがアメリカなのに
日本語で小説を書く方。

で、この本はジャケがきれいだったので
それに惹かれて読んでみました。

これ、911をテーマにした小説。

アメリカ人日本文学作家が、9・11体験の核心から現代世界の変容と危機を鮮烈に描きだす「ノンフィクションを超えたフィクション」。
「9・11」に対峙する、新しい文学の誕生!


作者自身、911の際にちょうど渡米していた
体験をもとにした小説。


英語を母国語としながらも、
すでに日本在住期間のほうが長く、なおかつ言語も完璧に使いこなせる。
そのバイリンガルが遭遇した、母国への攻撃。
そのときの感情すら、英語で思い浮かばず
無意識にいちいち日本語におきかえてしまう。
そういった「アイデンティティの喪失」を感じた本でした。

小説というより、正直なところ
作者自身に対して興味がわきました。
巻末のエッセイのほうが好き。

まーしかし、文章うまい。
母国語でないのこここまで上手だなんて。

このブログを検索