2012-06-26

「エレンディラ」ガルシア・マルケス


エレンディラ (ちくま文庫)エレンディラ (ちくま文庫)
ガブリエル ガルシア・マルケス G. ガルシア・マルケス 鼓 直

筑摩書房  1988-12
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コロンビアのノーベル賞作家ガルシア=マルケスの異色の短篇集。“大人のための残酷な童話”として書かれたといわれる6つの短篇と中篇「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」を収める。

ハマりにハマりまくっている
ガルシア・マルケスの短編集。
「百年の孤独」「族長の秋」の間、
1970年前後に書かれた作品が中心です。

この非現実感。
シュールさ。
そして唐突な終わり方。

たとえば天使(でもおっさんで羽根が折れてる)が突然
家の後ろで寝ているのを見つけたり、
この世のものとは思えぬほど美しい水死体が流れてきたり。
設定がありえないのに、おもしろく読めてしまう。

本が好きで昔からいろいろ読んできましたが、
こんなツボの作家・作品が見つかる快感。
これがあるからやめられない。
そう思わせてくれる作家です。

筒井康隆先生の短編も非常に好きなのですが、
いろいろ調べると、先生もマルケスに影響を受けているようで。
あのシュールさはここから来ているのかと妙に納得。
違った魅力がありますが、
マルケスの文体はどの作品でも、すばらしい。
氏はもともとジャーナリストだったそうで、
やはりそういった記者をやっていた人の文章は
理路整然としていて分かりやすい。
それに過剰なまでの演出が加わっていても
すいすいと読み進められますね。





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