2016-05-21

[読書録]ここ1年くらいで読んだ中で印象に残った本

嘘をついた男
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生活すべてが「ウソ」だった
実在の人物をもとにしたノンフィクション。
作家が手紙のやりとりを経て執筆。

よくそこまでウソをついて生きていけるな!
大変読みごたえがある1冊。



私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)
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さすが作家さん、読みやすいことこのうえなし。

人間の単位を「個人」ではなく
「分けられる」分人と考えてみては、
という本。

人は「ほんとうの自分」なんてなく、
ほかの人たちとの関わり合い、
それぞれに「分人」があり、その集合体で
自分自身ができている、という考え方を解説。

人づきあいが苦手とか自分探しとか
そういったキーワードにピンとくる人は読む価値あり。


世界の文学セレクション36 (3)
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セルバンテスのドン・キホーテ。

ガルシア・マルケスの「百年の孤独」に大変ハマりましたが
なぜあんな難解な本が、本国では
「ソーセージ並みによく売れた」(Wikipediaより)のか
不思議で仕方なかったのです。

いろんな評論を読んで、
「スペイン語圏の人たちには
ドン・キホーテという土壌があるから
シュールな物語も受け入れられやすい」
という旨に興味を持ち、じゃあ読んでみようじゃないかと。

上記の全集は、一部削除してありますが
それでも読みごたえ十分すぎる。

そしてそのシュールな話の展開に納得。
変。つかみどころのない話が次々と。

超現実的、マジック・リアリズムが好きな人は
たぶんおもしろく読めます。長いけど。


バベットの晩餐会 (ちくま文庫)
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デンマークの作家イサク・ディーネセン(変名いろいろあり)の作品。

淡々とした描写が続く、でもそれが厭味ではない。

盛り上がるようで盛り上がりきらない、
不思議な物語。


鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)
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ミヒャエル・エンデの短編集。

超シュールかつ空恐ろしくなるような話ばかり。

話によって好み・そうでないものの落差が激しいが
全般的にそのシュールさがとても好き。


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